ビジネス技術 わざの伝承―ものづくりからマーケティングまで(日外選書Fontana)



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「技術は盗むもの」とごまかす事なく。

自分は技術系の職種です。周囲では時折
「昔は技術は見て盗んだものなのに。」
「ノウハウは教えられないからこそノウハウ。見て覚えてもらうしかないのに。」
という嘆きの声が聞こえます。といいますか、自分も嘆いていたひとりでした。

ですが、先輩に勧められて本書を読んで以来、
「ノウハウは教えられないもの」と決め付けて、
教える努力を怠ってきた自分が恥ずかしくなりました。

本書は広告業界(電通)の事例が多く紹介されていますが、
個人の感性で製作されるもの、と思っていた広告コピーにおいても、
比較的古い年代から、より良いコピーを作る作法、手法が確立していた事も驚きです。

この本を読み、自分では「まずは、うまくいったパターンをそのまま伝えてみよう」と決めて、実践しています。
特に「うちの業界は特殊だから、ノウハウが多くて」と悩んでいる方に、ぜひおすすめしたいです。
学ぶ姿勢について考えさせられた

本書はマニュアルでは伝えられない”暗黙知”の部分をどう伝えるのか?について書かれている。
しかし私は、「暗黙知の部分をどう学ぶべきか?」ということについて考えさせられた。なぜなら私は来年から営業の仕事をするのだが、
仕事のノウハウは大学の講義と違い、経験から得るものが多いと感じていたからだ。

本書では風姿花伝の例を元に、学ぶ・伝えることについて記述されている。
風姿花伝のように仕事の型(メソドロジー)というのは確立していないらしいが、しかし風姿花伝の伝承のように”盗む・まねる”ことは出来る。
これからどの様な姿勢で学ぶのかと、改めて考えさせられた。

ただ仕事というものをまだ経験していないため、仕事を経験した後にまた読み返したい1冊である。
ソフト系スキルをどう伝承するか

1985年以来22年ぶりに、技能五輪国際大会が日本(静岡県沼津市)で開催されるが、2007年は、日本の社会にとって別の意味でも技能の年である。団塊世代のトップランナーが定年を迎え、大量の退職者が出始める年で、IT業界等でスキルの継承に断絶が起きて、メンテナンス等に障害が起きるのではないかという懸念が示されている。
「ものづくり」の分野やIT業界などでは、スキル継承に関する危機意識が醸成されていたこともあって、対策もそれなりに準備されてきた。しかし、企画や戦略立案などのソフト系のスキルに関しては、伝承の方法論は未だ模索の域を出ていない。電通のマーケッターとしてソフト系スキルを実践してきた著者は、自分の習得したスキルを後輩たちに伝承したいという志を持っていたが、それを果たさずに団塊よりも一足先に定年を迎えてしまった。本書は、その志の一端ということになる。
著者が着目したのは、典型的な属人的スキルの世界である能や歌舞伎などにおける「わざ」の伝承の方法論である。著者も説くように、属人的なスキルは、繰り返しによって型を身体に覚えさせることが重要である。企画や戦略立案は、脳のはたらきであって、身体の運動とは異なるように思われるかも知れないが、属人的なスキルという意味では共通である。古典芸能に着目した辺りは、さすが元電通マンと言えよう

温故知新

わざをどう伝承するかを考えるにあたって、現在の類書ではなく、世阿弥の「風姿花伝」に想到するアイディアには驚いた。目新しさを追ってアメリカの動向ばかりを気にしていては駄目、われわれ自身の伝統に学ぶべき、と気づかされた。実際にプランニングする際にも大変有用な本。
わざを磨こう!と再決心

企画設計のフェーズの「わざ」に関して、強く感銘を受けた。

社会人になって初めて就職した会社は鉄鋼会社だった。
この鉄の会社の事務部門には、「マーケティング」の概念は全くなかった。
当時、製品を企画し、自分で営業・サービス・保守まで担当。
どんな人にどんな商品・サービスを提供すれば、どんなメリットが生まれるのか。
それを自分なりに組み立てて、仕事をしていた。
会社を出れば、客先、関係企業、消費者から生の声が聞ける。いろいろ講釈
をしてくれる人もいて、会社の外で学んだことがとても多かった。
そのうち、会社の外で学んだことを、自分なりに会社のロジックにあてはめると
社内の説得がうまくいくことに気づいた。

今、この本と出会って、改めて企画フェーズにおける「わざ」の重要性を認識し
モティベーションがアップした!!
次回の著作にも期待します。



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